修善寺へのGo To旅行レポ、第二弾です。前回は、修善寺の里山にある現代風湯治宿「神代の湯」について詳しくお伝えして、温泉と健康食での養生旅の魅力を感じてもらいました(前回の記事はこちら)。
今回は、修善寺エリアにおける新しいタイプのスポットを2箇所ご紹介します。“クラフトビールの聖地”といわれている「ベアード・ブルワリーガーデン 修善寺」と、移住定住+地域活性のためのプロジェクトスペース「ドットツリー修善寺」。どちらもデザインセンス、素敵です。
本格ビール好きに堪らない楽園「ベアード・ブルワリーガーデン 修善寺」
東京で仲良くしているファッション業界のご夫婦に紹介してもらい、修善寺駅から南へ約4kmの川沿いにある「ベアード・ブルワリーガーデン 修善寺」へ向かいました。緑豊かな自然に囲まれた農園型ブルワリーに着いた瞬間、ここが“ビールの楽園”であることを即座に確信!
それでは、ベアード・ブルワリーの歴史を簡単にご紹介しつつ、今回体験したことを順番にレポしていきます。
国内クラフトビール業界最大規模、そして美しい施設
駿河湾へと流れる狩野川のほとりにある広大なスペース「ベアード・ブルワリーガーデン 修善寺」は、日本のクラフトビール業界では最大規模のもの。
年間で約2,000キロリットルのビールを醸造できる設備や空間は、ダイナミックさはもちろん一つ一つがとても美しくて、醸造所のファサードからタンクなど、とにかくフォトジェニックのひとことです。
夫婦で2000年からビール造りを開始
このクリエイティブ性及びブランドの世界観は、米国人のベアード・ブライアンさんと妻のさゆりさんが、丁寧かつエネルギッシュにベアード・ブルワリーを育んできた、その素晴らしい結果です。“日米の架け橋になる仕事を”との想いから、夫婦二人で2000年から沼津で最初にビール造りをスタート。高い評価を得て規模を拡充し、2014年にこの修善寺の地へ移転。クラフトビール好きはもちろん、現在では修善寺旅行の際に欠かせないスポットの一つともなっています。
飲んで食べて、自然に癒される最高のひとときを
さて、エレベーターで3階へ。通路の右側からはタンクなどの設備をガラス越しに見下ろすことができて、とてもテンションがあがります。
左側には、一番の目的であるタップルームという試飲スペースがあるので、カウンターでオーダーを。飲食物の持ち込みも可能なようですが、クラフトビールにあう軽めの食べものも用意されていて、個人的にはこれがなかなかのオススメです。
クラフトビールのタイプが説明されたボードも持ちながらテラス席でも堪能し、20種類ほどある持ち帰り用の瓶ビールもチェックしたりと大満足しました。
美しい醸造所の環境と、自然の風を感じながらのテラスでのクラフトビール、本当に幸せ〜。
キャンプスペース「キャンプ・ベアード」もチェック
敷地内にあるもう一つのスポット「キャンプ・ベアード」も、大注目です。
醸造所からもすぐの川のほとりにあるこのプライベートキャンプ・サイトには、キャンピングカーとテントに対応する20のスペースがあり、キャンプやバーベキューのための設備、シャワーやトイレ、そして自動販売機も完備。
コロナ禍において最も安心感の高いアウトドア環境で、新鮮なクラフトビールも楽しめるのは最高です!
実は東京でも味わえる!ベアード・ブルワリーのビール
ベアード・ブルワリーのビールは、この敷地の地下から汲み上げた水を仕込み水に使用しています。ホップの一部は自家農園で収穫したものを使用。地域に根ざしたブルワリーを実現し、同時に東京でも中目黒や原宿、高田馬場、横浜、吉祥寺などでタップルームを展開しています。修善寺まですぐに行けない方は、都内でまずは味わってみてください。
各タップルームのほかでは、日本橋浜町にある「オーガストムーン・カフェ」がオススメですよ。ベアードさんを紹介してくれたご夫婦の国際感覚あふれる素敵なお店で、多彩な料理とベアード・ブルワリーのビール、充実してます。
なお、新型コロナウイルスの影響で現在は修善寺の醸造所の工場見学は行なわれていませんのでご注意ください。
移住で地域活性を!「ドットツリー修善寺」プロジェクト
次は、観光スポットではありませんが、かまる新聞として積極的に取り上げていきたいと思っている、移住に関する画期的スペースです。テレワーク生活が加速している今、従来とはまた違った視点も加わっての移住選択について、メディア等でも頻繁に取り上げられていますよね。
今回ご紹介する「ドットツリー修善寺」は、既に2016年から始動しているプロジェクトで、移住定住、職住近接、さらに事業集積を一ヶ所に集約した、今までにない地域活性化プログラムです。
移住のほか協働やコミュニティも形成
具体的には、修善寺駅から北へ約1,200mほどの狩野川すぐ横の一画に、おしゃれなデザインのオフィス付き賃貸物件・全12戸が並んでいます。カメラマンやものづくり系のクリエイターのほか、この地域のアクティビティに特化した旅行・観光会社の方などが、新しいスタイルの協働やコミュニケーションをここで形成。県外からの移住者の活動例もあり、地域を活性化する新しいモデルとして、全国の自治体担当者も視察に訪れているそうです。
伊豆のコアなアクティビティ情報や興味深いサロンも
「ドットツリー修善寺」は、観光の中心地である修善寺温泉エリアにはありませんが、ジャンルによっては伊豆を観光する際に役立つ情報を得られます。例えば、キャニオニングツアーを提供している「アドベンチャーサポート」のオフィスがありますし、伊豆88遍路の「札所0番」なども。また、私は自然療法サロンの「ミモザ」が気になりました。今回は体験できませんでしたが、伊豆産の白枇杷(びわ)をハーブとして用いたハマム浴(スチーム浴)というメニューがあるとのことです。
駅から少し離れていますので、いずれも電話やメールで事前問い合わせをしてから訪れるのがよいと思います。
修善寺旅、2回とも修善寺温泉エリアではないところばかりご紹介しました。でも、決して修善寺温泉が嫌いなわけではありません。あの温泉街の風情も、川沿いにある足湯も好きなところで、ランチでは、温泉街にある感激ものの蕎麦店、十割そば「さくだ」を今回発見しました。
駐車場にある屋台で、昼間のみ営業。メニューは蕎麦のフルコースのみ。塩蕎麦にぶっかけ、そして柚子入りの蕎麦湯までも。生のわさびは、必要な量を自分ですって加えます。そのコースが、な、なんと500円!無駄なものをはぶいて実現させている店主の蕎麦愛、脱帽です。