東京から気軽に行ける距離の温泉地の中で、現代版湯治宿「神代の湯」へGo Toしてみました。伊豆箱根鉄道修善寺駅から車で15分ほどの静かな山あいにある、温泉マニア及び健康おたく垂涎の北投石による温泉宿です。
温泉や水の素晴らしさに加え、食事は完全菜食にも対応している自家栽培の野菜をふんだんに味わえるもの。オシャレで割高な多くのリトリートを謳う宿とは異なる、無駄をはぶいた本当のストイック宿です。
周辺情報を交え、修善寺の旅レポを2回にわたってお届けします。
極楽までの道のりは踊り子号で
東京から踊り子号に乗ると2時間10分ほどで修善寺駅に到着します。駅のホームには、さすが古くからの温泉の街だけあってレトロな手洗いが。
そして、“修善寺まきの”が出迎えてくれるためか、鉄道好きとアニメ系男子もちらほら見かけます。
修善寺駅から宿までは1日1便の送迎車を利用
お昼の12時前、この時間だと宿の迎えの車に乗ることができます。え、どうしてそんな早い時間に?と思われるかもしれませんが、この宿はなんと12時からチェックインが可能なんです。目的はとにかく温泉ざんまいと、仕事の電話やメールから離れてゆっくりすること。自炊形式の湯治は物理的にハードルが高いところがある中で、「神代の湯」のスタイルやコスパ、そして東京からの距離は絶妙です。
宿に到着し、チェックインとともに店主からお風呂の場所などの簡潔な説明をうけ部屋に。はやりの露店風呂付きの部屋などではなく、いたってシンプルですが清潔感があって問題無しです。
食事は食堂で食べますし、布団敷きはセルフのためチェックイン後にスタッフが部屋に入ってくることもないので、昼間から布団を敷いてごろごろするのもOK!これ、以外と他の宿ではできないことで、温泉好きには極楽ではないでしょうか。
素晴らしき「神代の湯」で温泉ざんまい!
さて、一番の目的であるかけ流しの温泉です。神代の湯には男女別の大浴場と、貸切風呂が1つあります。入浴可能時間はチェックインから23時までと、朝は6時から8時まで。深夜と朝食後はお風呂に入れないので、今回私が試してみたように、12時過ぎにチェックインしてひたすら温泉を堪能してのんびりするのであれば、満足度が高いように思います。
全身にじわじわ染みる良泉質の内湯
まずは、別棟にある大浴場へ。熱過ぎず、そしてじわじわゆっくりと染みる感じがする本当によいお湯で、貼ってある温泉分析表をみると、泉温47.4度。ph9.2のナトリウムー硫酸塩温泉とのこと。湯あたりすることがあまりなく、肌がしっとりつやつやになります。
一番のお気に入りは開放的な露天風呂!
一番気に入ったのが露天風呂。明るい昼間に自然を感じながらつかるのもよいですし、夜もまた風情があって最高でした。ちなみに、お湯は内湯が40度くらい、露天風呂は41~42度ぐらいに調整されています。
北投石ミストサウナでじんわり汗を流す
内湯と露天風呂を交互にいくらでも入っていられますが、時間はたっぷりあるので、北投石ミストサウナへも。あまり高温なサウナは苦手な女性が多いと思いますが、ここはそこも考えられていてとても快適な設定です。ただ、座る場所がないスタイルのため、床に横になるのに抵抗がある人には不向きかもしれません。あ、もちろんサウナも料金に含まれています。
大浴場のお風呂あがりには、懐かしいタイプの自販機で、ごっくん伊豆の牛乳を購入。ビンの牛乳を飲むのは久しぶりで、書いてある通り生乳たっぷりで湯上がりにたまらない美味しさでした。
プライベートが嬉しい宿泊者専用貸切風呂も
少しお昼寝をしたあとに、次は、宿泊者専用の貸切風呂へ。1階の階段の横に予約表があるので、早めに名前を記入するとあとで慌てないですみます。1枠40分なので、今回は昼間と朝食前の2枠分を予約しました。
内湯のみですが、十分な広さで窓も大きくて明るいです。 北投石を使った蒸気浴を兼ねているらしく、お湯につかっていない時でも気持ちよく温まります。全8室なので大浴場もそんなには混みませんが、やはり気兼ねなくのびのびできる貸切風呂は最高です。
神代の湯のちょっと面白いこぼれ話
面白い情報として、新宿にある話題の温泉施設「テルマー湯」には、この神代の湯から源泉が提供されているんですよ。「テルマー湯」には時々行っているので、改めてお湯の感じを比較してみたいと思います。
▲テルマー湯。「神代の湯」より天然温泉を毎日運搬
また、この宿の特徴である北投石は秋田の玉川温泉と台湾にしかないもので、この北投石のすごさについては近いうちに特集したいと思っています。何度も行っている台湾の温泉での想い出とともに。
新鮮な山と海の幸、そして野菜料理を堪能
さて、温泉を堪能してからだが芯から温まりリラックスしまくったところで、そろそろ夕食タイムに。18時になったら1階の食事処へ向かい、自分の部屋の紙が置かれたテーブルに座ります。
お品書きがないので、料理や素材について細かい説明をできませんが、今回は、“猪鍋&さざえ&金目鯛で伊豆満喫”という食事プランでお願いしました。
山海の猪肉や魚介が新鮮で美味なことに加え、自家栽培を中心とした野菜料理はとにかく絶品です。素材そのものの美味しさを引き出していて、調味料が最低限なのが超私好み!
最後のデザートは手作りのマロングラッセでした。栗自体の甘さのみと思われ、こちらも絶品!
無糖や無塩など細やかなオーダーにも対応
そしてこの宿が驚きなのは、ベジタリアンやビーガンだけでなく、食物アレルギーや無糖、無塩、無油にまで対応していることです。事前に伝えれば、ダイエットやアトピーの方の相談にも応えてくれるようなので、体質改善を考えている方やベジタリアンの方には貴重なところだと思います。
調べてみたら、以前は完全菜食の湯治宿だったそうで、なるほど納得です。
「神代の湯」は、とにかくお湯が素晴らしく、食事は素材も味も健康的で、今回は1泊だけでしたが、お肌だけでなく体調にもよい変化がおきた感じがします。
また、この宿は普通の温泉宿やホテルとはあきらかに違います。ホスピタリティの考え方も異なりますので、湯治を少しでもイメージしてくるのがよいかもしれません。そして、宿のサイトの施設紹介の中にある「注意事項」をよく読んでから予約されることがポイントです。
次回は、ガラリと変わって修善寺にある新しいスタイルのスポットを中心にご紹介したいと思います。オシャレなスペースと、プリミティブなことが混在している修善寺、久々に訪れたところ、色々な魅力を発見しましたよ。