ブラジル・シリーズの第二弾、今回は現在公開中のブラジル映画「ぶあいそうな手紙」をまずご紹介します。
続いて、映画のシーンにもあるマテ茶などの南米食材を国内で買うことのできる専門店「KYODAI MARKET(キョウダイマーケット)」について、中でも五反田駅前のビル内にある都会の秘密スポット的な五反田店を探索してきましたので、お楽しみに。ブラジルの総領事館とペルーの総領事館が入っているラテン度数高いビルなんですよ!
そして、新型コロナ感染拡大の影響で仕事を失うなど生活が困難になっている在日ブラジル人支援の情報もお伝えします。
ブラジルから届いたあったかムービー「ぶあいそうな手紙」
ブラジル南部に位置するポルト・アレグレという都市をご存知でしょうか。今回ご紹介する映画「ぶあいそうな手紙」は、46年前に隣国ウルグアイからこの街にやってきた78歳の老人が主人公の物語です。
ほとんど目が見えず、どうしても頑固な態度をとってしまう主人公のエルネストは、独り暮らしの毎日を過ごしています。そんな時にある手紙を受け取り、偶然知り合ったブラジル人の23歳の女性・ビアに代読と代筆を依頼したことから、彼の人生が変わり始めます。
アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督はこの映画で「あなたはどんな老いを生きたいのですか」と問いかけ、エルネストとビアがそれぞれの可能性を発見していく過程と心の揺れ、そして人生の面白さが温かく描かれていきます。シンプルですがとても人間性にあふれた映画で、必見です。カエターノ・ヴェローゾの名曲「ドレス一枚と愛ひとつ」の使われ方も絶妙♬
先週ご紹介したカフェヴィヴモンディモンシュのオーナー堀内さんは、カエターノ・ヴェローゾの曲に衝撃を受けてブラジル音楽にのめり込んだそうですよ。(前回記事はこちら)
『ぶあいそうな手紙』
シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか公開中。そのほかの劇場でも順次公開されます。
公式サイト:http://www.moviola.jp/buaiso/
原題:Aos Olhos de Ernesto|英語題:Through Ernesto’s Eyes|監督:アナ・ルイーザ・アゼヴェード|脚本:アナ・ルイーザ・アゼヴェード、ジョルジ・フルタード|脚本協力:セネル・パス(『苺とチョコレート』)|出演:ホルヘ・ボラーニ(『ウィスキー』)、ガブリエラ・ポエステル、ホルヘ・デリア(『僕と未来とブエノスアイレス』、ジュリオ・アンドラーヂ(『ゴンザーガ~父から子へ~』)|ブラジル|2019|123分|字幕翻訳:比嘉世津子|配給:ムヴィオラ
ふと、異世代間交流マンガ「メタモルフォーゼの縁側」を思い出す
ブラジルとは関係ありませんが、異世代間交流の物語いえば、SNSでも話題のマンガ「メタモルフォーゼの縁側」のことが思い浮かびました。
2019年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞を受賞したこの作品は、75歳の老婦人の雪と、書店アルバイトの高校生のうららがBL(ボーイズラブ)作品という共通の好きなものを通じて交流を深めるというキュートでほっこりする作品。
ジャンルや国は異なりますが、「ぶあいそうな手紙」での人物設定や醸し出す世界に通じるものを感じ、こちらもオススメです。
ブラジル南部の都市ポルト・アレグレ
また、ポルト・アレグレについても簡単にご説明します。「陽気な港」という意味をもつブラジル南部の中心都市で、この街出身の有名人としては、サッカーのロナウジーニョ(愛称ガウーショ)がいます。
18世紀中頃、ポルトガルのアソレス諸島(リスボンから1,500kmの大西洋上に浮かぶ島々でワインと牛で有名)からの移民が始まりで、その後ドイツ・イタリア・スペインなどからの移民も増えた白人系が多い都市です。牧畜が盛んでシュラスコが安くて美味しいとのこと。
ちなみに、ガウーショ(ガウチョ)とは混血住民(先住民と白人の)のことですが、質実剛健ないわゆるカウボーイを表わしていて、日本の武士道に繋がるような価値観を持っています。カリオカ(楽天的で時間やルールにあまりこだわらない)を代表とするブラジル人とは多少異なった気質で、ブラジルの大統領などもガウーショが多いんだそうです。ガウチョパンツもここからきていますよ。
五反田のビルにブラジルがぎゅっ「KYODAI MARKET」
「ぶあいそうな手紙」の中で主人公が飲んでいたマテ茶は、健康おたくの私が前からチェックしているお茶の一つです。
マテ茶のほかにも、アサイーやカシャッサや肉の冷凍ブロックなどなどの食材があふれるお店が、東京のど真ん中のビル内に存在しています。それも五反田の駅前!日本で暮らすブラジル人はじめ南米の方達にはお馴染みのこの「KYODAI MARKET」は、旗艦店の五反田店のほかに関東を中心として何と17店舗も展開しています。
オンラインショップも充実していますが、やはりリアル店舗はたまらない楽しさです!そして、今回新たに珍しい食材を見つけましたので、近々に「KYODAI MARKET」の魅力について別の特集をしたいと思います。
なお、五反田店のあるビルの同じ6階フロアにはペルーの領事館があり、2階のブラジル領事館ではあまびえが迎えてくれますよ笑。
在日ブラジル人支援キャンペーンについて
最後に、私が「KYODAI MARKET」で時々購入しているカシャッサのメーカーさんが、在日ブラジル人の方達を支援するキャンペーンを実施しているとの情報を得ましたのでお知らせしたいと思います。
新型コロナの感染拡大は、非正規の雇用形態で働いている大勢の在日ブラジル人の方達の生活も直撃しています。彼らの故郷、ブラジルでもほぼ連日1,000人以上の死者が出ているため帰国もできない状況の中、カシャーサ・ダ・キンタを輸入するシモンセン株式会社が企画したとのこと。
専用フォームからカシャーサ・ダ・キンタを購入すると、同社の売り上げ利益がNPO法人在日ブラジル人を支援する会(SABJA)へ寄付されるという取り組み。最終的な寄付金額と購入者(支援者)の名前は、SABJAを通じてブラジル大使館へ報告されるそうです。
キャンペーン期間は2020年8月31日(月)まで。詳細や参加申し込みはこちらから。
ブラジルの自然素材を使った「ビオジュエリー」については、予定を変更して来週ご紹介することにしました。加えて、かまるオススメのブラジル料理をカジュアルに味わえるお店も!さらに、ブラジルコーヒーを愛し続ける老舗コーヒー店の素敵さなど、来週たっぷりご堪能ください。