新型コロナウイルスの第3波が訪れ、冬の寒さが本格的になってきた今、「ビタミンD」のことがとても気になっています。スペインの研究チームが、「ビタミンD」と新型コロナウイルスの関係性を調査した結果を発表、というニュースも先日舞い込みました。2020年3月に新型コロナウイルス感染症で入院した患者を対象に「ビタミンD」の量を検査したところ、80%以上がビタミンD欠乏症であることが明らかになったとのこと。
免疫機能を調節する働きがあり、骨はもちろん筋力や身体機能の低下にも関わることがわかっているこの「ビタミンD」について、なるべくわかりやすくお伝えしたいと思います。以前から「ビタミンD」のサプリを活用している経験も交えて。
感染症へ有効な栄養素「ビタミンD」
「ビタミンD」とは、脂溶性の必須栄養素で、新型コロナウイルス問題が生じる以前からさまざまな病気の予防として取り上げられてきました。現在最も注目されているのがその免疫力アップ効果で、かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防効果が認められています。花粉症やアトピー性皮膚炎にも。
元々は、カルシウムを吸収促進し骨を丈夫にするアンチエイジングに欠かせない栄養素として知られていますが、近年ではがんを抑制することや、高血圧や糖尿病の改善、妊娠しやすい体作りに有効という報告もなされています。
冬季うつ対策にもビタミンDを
また、「ビタミンD」は、冬季うつとよばれる季節性感情障害などへの効果も知られるようになってきました。特に今年の冬は、ラニーニャ現象が10年ぶりに強い勢力に発達するといわれていて、世界規模で異常気象に警戒するようにと世界気象機関(WMO)がよびかけています。ラニーニャ現象により、日本付近では西高東低の気圧配置が強まり冷えが加速する可能性が高いことから、「ビタミンD」の積極的摂取をすすめる声が高まっているようです。
冷え取りに関する著書が多数ある、東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当の川嶋朗医師は、「気温が下がると身体も冷えやすくなりますが、ラニーニャ現象による厳冬が予想される中、より一層気温が下がる今冬に起こりうる“ラニーニャ冷え”には注意が必要です。」と語っています。
▲川嶋朗医師
今回の冷えがキケンな理由は、以下の3点です。
- 気温が下がると新型コロナやインフルエンザなど“冬のウイルス”が活性化
- 体温が1℃下がると免疫力は大幅に低下!「低温動物化」が進行
- コロナ禍で巣ごもりの影響による運動不足・筋力低下がさらに冷えを加速
冬こそ積極的に日光を浴びよう
こういった情報を聞けば聞くほど、免疫力アップのため、またコロナ禍で運動不足が続くことによる筋力や身体機能の低下を予防するために、今冬は「ビタミンD」の適正摂取を意識した方がよさそうです。
まず、冬は夏に比べて日照時間が減るため、紫外線照射によって皮膚で生成される「ビタミンD3」の摂取量が減少してしまいます。さらに、テレワークや在宅勤務の普及で外出が減り日光を浴びる機会がどうしても少なくなっていますよね。
日焼けによるスキンケアの影響を考慮しても、1日10分~30分程度は日光を浴びたいところ。他のビタミンは食べ物やサプリで摂取するほかないのですが、「ビタミンD」だけは体内で生成することができるのですから。
ビタミンDが豊富な食材は?
とはいえ、日光を浴びることが物理的になかなかむつかしい場合は、食事やサプリで摂取量を補うことになります。
食品から得られる「ビタミンD」には、きくらげや舞茸、椎茸などのきのこ類に含まれる「ビタミンD2」(植物由来)と、鮭などの魚類や卵などに含まれる「ビタミンD3」(動物由来)があり、摂取に効果的なレシピは色々なサイトで紹介されていますので、そちらを是非参考にしてみてください。
サプリでの摂取もおすすめ!
今回は、私が以前から愛飲しているサプリの方をご紹介します。
1粒に「ビタミンD」が1,000IU(25μg)のタイプ。オメガ-3系脂肪酸が豊富で水銀汚染の心配がないノルウェー産サーモンオイルを配合。株式会社分子生理化学研究所の製品で、60カプセル入り。
▲株式会社分子生理化学研究所の製品
しっかり「ビタミンD」を摂取したい人向けの5,000IU(125μg)タイプ。ラノリン由来で、オリーブオイルを配合。アメリカHealthy Origins社製品で、たっぷりソフトジェル360粒入り。
▲Healthy Origins社の製品
世界の研究者の意見を総合した目安としては、成人で1日2,000IU(50μg)~4,000IU(100μg)が、妥当な摂取量といわれています。また、がん予防を考えた場合は、30分程度の日光浴+食事とサプリで1日5,000IU(125μg)という専門家もいます。なお、免疫力アップの効果は期待できますが、新型コロナに有効かどうかは現段階では定かではありませんので、そういった不安をあおる情報にはくれぐれも振り回されないようにしてください。
「ビタミンD」は過剰摂取すると別の病気を引き起こしますが、日光にあたることで「ビタミンD」が過度に生成されることはありません。今は外出を控えたり運動不足になりがちですが、私は晴れている日には短時間でも積極的に外で日光浴をするようにしています。また、必要摂取量が気になる方は、かかりつけ医に指導してもらうとより安心ですね。
さらに個人的には、きのこの薬膳鍋がおススメです。中国四川省へ行った時に食べたことを懐かしく思い出しますが、今は日本でもきのこ薬膳鍋が食べられるようになりとても嬉しいです。