木曜日はかまるの妹分ルカ子が、最近気になっているコトや話題のモノについてお届けします!
コロナ禍でアパレル業界が苦境なのはニュースなどで見聞きしているかと思いますが、アパレル関係と仕事をすることの多いルカ子も、その大変さを間近で感じています。一方で、ただ単に“服を買わなくなってきている”というよりも、ワンシーズンだけの“流行りの服を買わなくなってきている”傾向があるように思います。
それは、洋服だけでなくジュエリーにも通じているようです。長く愛用できる品質重視にシフトしてきているのかも?
そんな上質志向の世の中で、新しい価値観の宝石のことを知ったのでちょっと調べてみました。
次世代ジュエリー「ラボグロウンダイヤモンド」
「ラボグロウンダイヤモンド」というモノをご存知でしょうか。ほんの数年前から日本でも流通されるようになってきている宝石です。
▲ラボグロウンダイヤモンド
ネーミングにラボと付いていることから想像できるように、いわゆる天然ダイヤモンドではありません。天然ダイヤモンドと全く同じ成分・性質を持つテクノロジー合成ダイヤモンドです。
本物のダイヤモンドとほぼ同じ!?
本物の輝きを実によく再現しているというラボグロウンダイヤモンド。本物との違いは作り方のみで、自然界の中で出来上がったのが天然ダイヤモンドであることに対し、ラボ(研究所)で作り上げられたのがラボグロウンダイヤモンド。なんと、どちらも炭素だけでできていること、硬度、密度、光の屈折率まで同じです。
要は“養殖”ということで、真珠やウナギを思い浮かべてしまいます笑。
ラボグロウンダイヤモンドはアメリカ連邦取引委員会より「本物」と宣言していいと認められ、新世代のダイヤモンドと呼ばれているというので、いよいよ天然ダイヤモンドとの価値観に混乱が生じてきます…。
ジルコニアとは違うの?
キュービックジルコニアもダイヤモンドと似た美しい輝きを放つことで知られていますね。私は、本物のダイヤモンドは特別な時に、ジルコニアのジュエリーは普段使いにと使い分けています。気軽にキラッとしたおしゃれが楽しめるジルコニアには、本当にお世話になっています。
では、ジルコニアとラボグロウンダイヤモンドは違うのか?ということですが、化学組織の異なるまったくの別物です。前述したように、ラボグロウンダイヤモンドの化学組織は天然ダイヤモンドと同じですから。
また、ダイヤモンドの輝きに負けない(むしろその2.5倍の輝きを放つ)ことで知られるモアサナイトも、炭化ケイ素からできているので、ラボグロウンダイヤモンドとは別物になります。
▲モアナサイトのネックレス:エシカルジュエリーブランド「GYPPHY」
エシカルジュエリーとしての姿
採掘による森林破壊や水質汚染、また過酷な環境の下で働く人々の人権被害も問題視されている天然ダイヤモンドに対し、テクノロジーを駆使して作り上げられるラボグロウンダイヤモンド。
そんなことからラボグロウンダイヤモンドは、エシカルでサスティナブルなジュエリーとされ、環境保護や社会問題意識の強い世界のセレブリティにも注目されているそうです。
宝石、ダイヤモンドの価値とは…
個人的な意見になりますが、ラボグロウンダイヤモンドは捉え方がなかなか難しいものだと正直感じています。
宝石の魅力のひとつに、“限りのある希少性”が挙げられると思うのですが、ラボグロウンダイヤモンドは技術があれば生産可能で、かといってイミテーションではない。そう、このラボグロウンダイヤモンド、天然よりは高価でないもののお値段がなかなかなのです(一応、天然ダイヤモンドより30〜40パーセントほど安いとされています)。ジルコニアに比べたら遥かに値が張ります。
それなりのお金を払うのであれば、ザ庶民の私なんかは天然モノがいいなあ、と感じてしまうわけです。
ジュエリーに求めるのはときめき!
なお、以前かまる新聞でご紹介した、黄金の草カッピンドウラードからできている「ビオジュエリー」は、植物からできているのでエシカルなジュエリーと言えるかもしれません。
ビオジュエリーに関してはとても興味深く感じていて、それはきっとビオジュエリーにしか出せない風合いや色があるのだろうと、想像して楽しい気持ちになるからです。やはりジュエリーは身につけていてときめくものを選ぶのが一番だなあ、と呑気なことを思う私です。
とはいえレジ袋が有料になったように、日本でも環境問題を考えさせられる機会が増えてきました。ファッションやジュエリーといったセンスや趣味、価値観などパーソナルでアイデンティティが関わる分野でも、エシカルやサスティナブルをまず考えることがニューノーマルになるのでしょうか。これからのジュエリー業界の動向をチェックしていきたいですね。