MCTオイルとココナッツオイルの違いと、ココナッツオイルブーム終息の理由を深掘りする

ダイエット目的やアスリートなどからも注目されていて、CBDオイルにも使われている「MCTオイル」をきっかけに、ココナッツについて3回シリーズで特集してきました。(1回目2回目の記事もぜひお読みください)

今回は、ココナッツから抽出された話題の「MCTオイル」と、アメリカに続き2015年をピークとして日本でもブームとなった「ココナッツオイル」との違いを、きちんとおさらいしてみたいと思います。

また、ココナッツオイルやココナッツウォーターの流行が急速に下火になった理由についても解説し、最後にココナッツの栽培やココナッツオイルの生産に関して、環境に配慮し人や地球に優しい製品づくりを実践しているボディケアブランドとそこからのお得な情報についてもご紹介します。

MCTオイルは中鎖脂肪酸(MCT)が100%!

ココナッツオイルは、ココヤシの熟成した果実の種子の胚乳(白い部分)を抽出して作られます。そのココナッツオイルには、中鎖脂肪酸(MCT)が約60%を占め、それ以外は長鎖脂肪酸(LCT)です。

対してMCTオイルは、中鎖脂肪酸を使ってのオイルですので、中鎖脂肪酸100%ということになります。ただ、中鎖脂肪酸が100%ではない製品もMCTオイルといって一部販売されていますし、さらに難しいのは中鎖脂肪酸がカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸の4つに分けられ、その比率によって効果も異なってくることです。

大まかに説明しますと、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸はそのほとんどがラウリン酸です。このラウリン酸はその代謝のメカニズムが長鎖脂肪酸に近く、中鎖脂肪酸としてのメリットを十分に発揮できません。そのため、MCTオイル製品の多くはこのラウリン酸の含有率を低くしてあって、中鎖脂肪酸として効果が大きいカプリル酸などの含有率が高くなっています。購入される場合は、ケトン体を最も効率的に作ることができるカプリル酸と、エネルギーへの代謝が比較的早いカプリン酸が多く含まれているかどうかを確認することをオススメします。細かな記載がない商品には、ラウリン酸が多く入っている可能性もあるので注意しましょう。

2種のオイルは吸収率が異なる

ココナッツオイルとMCTオイル、からだにとっての違いはその吸収率です。長鎖脂肪酸が全体の約40%となるココナッツオイルは、主にリンパ管や静脈を経由してゆっくりと全身を回り筋肉や肝臓に運ばれるのに比べ、中鎖脂肪酸が100%のMCTオイルは、門脈を経由して直接肝臓のエネルギー源となるという吸収率の高さを誇ります。

それでいて体脂肪としては蓄積されにくいという凄さ!言いかえると、空腹感なく糖質制限を実行できて、素早く脳細胞のエネルギー源にもなるためダイエット中の頭脳のパフォーマンスをサポートする、ということです。

MCTオイル使用時の注意点

使用上の違いと注意点としては、特にMCTオイルは高温調理での使用は避けてください。弱火での低温調理、もしくはサラダなどにかけて使用するようにしましょう。あと、通常のココナッツオイルはココナッツの独特の甘い香りがするので料理の内容や好みによってはあわない場合があります。MCTオイルは無味無臭が基本のため料理に使いやすいということも注目されているポイントの一つですね。

なお、MCTオイルは、消化吸収が早いゆえに人によっては下痢や腹痛が生じる場合もあります。私は大丈夫でしたが、最初は少量で試してみて使用する量を調整していくのが良いと思います。

なぜココナッツオイルブームは消え去った?

2010年代前半に生じたココナッツオイルのブームは、アメリカの美容・健康業界やセレブ発ではじまり、日本でもその影響もあって大きく注目されました。そのブームが気がついたら下火になっていたのは、ココナッツオイルは煽っていたほど健康によいわけではないということが、研究が進むにつれて明らかになってきたからのようです。

ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が多く、分解されやすいために脂肪になりにくくてダイエットに効果的と当時宣伝されまくっていました。しかし実際には、中鎖脂肪酸の中でもラウリン酸が多いため、ココナッツオイルを摂っても期待するような効果は得られず、さらに長鎖脂肪酸やラウリン酸が多いということはからだにとってマイナスの働きをする可能性もあるということが露見。悪玉コレステロールを増やして心血管障害のリスクを高める、身体の中で炎症を引き起こす、腸内環境を悪化させるなどのネガティブなことも指摘され、ココナッツオイルをどうとらえるかは判断が難しくなりました。

好みでもありますが、ほどほどに摂取するべきもので、ココナッツオイル信仰が過剰だったということですね。ココナッツウォーターに関しても同様で、健康ドリンクの選択肢の一つとして一部残っている状況です。ただ、こういった経緯もあるからこそMCTオイルが注目されるようになった側面もあるので、ココナッツ自体の価値には今後もチェックし続けたいと思っています。ちなみに、MCTオイルは、実は1970年~80年頃から存在し、未熟児やてんかん患者、あとは腎臓病や消化器系の手術をした患者さんなどの栄養補給に、医療現場では長年使われてきています。

スリランカ産オーガニックココナッツ使用「ドクタープロナー」

最後に、スリランカで誠実にココナッツの生産に取り組んでいるボディケアブランドをご紹介します。カリフォルニア発のオーガニック・ボディケアブランド「ドクターブロナーです。商品の原材料をフェアトレード・プロジェクトを通じて調達していて、よく知られているマジックソープに使われているココナッツオイルは、スリランカで生産されているのだそう。

2004年のスマトラ島沖地震で大津波によって壊滅的な被害を受けたスリランカへは、アーユルヴェーダ療養体験を目的として2008年に行ったのですが、その時に被害が残った建物やビーチを垣間見てショックを受けました。ドクターブロナーは、姉妹会社を設立し、有機ココナッツのフェアトレードを通じてそんなスリランカの再建に尽力。そのフェアトレード活動は、堆肥事業、医療機器の購入、学校校舎の改修や恵まれない青少年への職業訓練、貯水池の回復、地方の村々をつなぐ橋や道路、電線などのインフラ設備に役立っているそうです。

また、このココナッツ工場では、一般的な包装廃棄物を除けば、一切の廃棄物が出ないとのこと。ココナッツの栽培だけでなく、ココナッツオイルの生産においてもエコロジカルな方法を採用していますので、興味のある方はこちらをお読みください。

「マジックソープ」お得セット情報

このココナッツオイルを原料としたマジックソープの中で、香りに定評のあるお得セットが2020年9月1日から限定発売されます。ラベンダーセットは、ゆったりくつろぎを感じるラベンダーの香りが心地よく、サンダルウッド&ジャスミンセットは、甘くおだやかなオリエンタルな香りです。どちらも、1,200円(消費税別)、237mlと59mlの2本セット。(詳しくはこちらへ)

ご存知の方も多いと思いますが、マジックソープについての説明をしますねオーガニック原料で作られたカスチール石鹸で、単純なオリーブ石鹸と違って、オリーブオイルとココナッツオイルで作ったベースに今注目の美肌成分ヘンプオイルと保湿成分ホホバオイルが絶妙にブレンドされています。

この配合率が要でマジックソープを作れるのは世界でドクターブロナーだけ。そしてこれらのオイルは100%天然のオーガニックなものを使用する徹底ぶりです。もちろん合成添加物が一切入っていない無添加なので、とにかく肌にマイルド。オーガニックショップやドラッグストアでカラフルなパッケージを見かけるこのマジックソープは、美容から掃除にも使えるマルチな石鹸で、アメリカのナチュラルソープ15年連続売上げNo.1を誇る優れものです。

ココナッツにまつわることがこんなにもあるとは、この3回の特集をするまで私も思っていませんでした。今回は取り上げられませんでしたが、ココナッツオイル由来のMCTオイルを使った話題の発明飲料として、バターコーヒーもありますよね。IT起業家が、チベットのバター茶から発案のヒントを得たというもの。自らの経験をもとに考案して独自に編み出したところがとても興味深く、このバターコーヒーについても近いうちに記事にしたいと思っています。
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