この梅雨があけるとやってくる暑い夏に向けて、「水出し緑茶」のメリットをご紹介するとともに、今回は伊勢のお茶と静岡のお茶を飲み比べてみました。
おいしいだけでなく、水でいれる「水出し緑茶」だからこその嬉しい効果がより注目されてきているそうなんです。産地による緑茶の味を比較して楽しみながら、ウイルス感染症の重症化を防げるかもしれないという水出し緑茶のポイントなど、かしこく取り入れましょう。
水出し緑茶のスーパーカテキンとは?
国立がん研究センターの研究では、緑茶を1日に5杯以上飲んでいる人の死亡率は1杯以下の人に比べて、男性で13%、女性で17%低くなるという結果が、最近発表されたそうです。
そういった中、まずお伝えしたいのは、水出し緑茶が引き出すスーパーカテキンのこと。2015年にNHKの「ためしてガッテン」という番組の緑茶特集によって、エピガロカテキンが広く知られるようになりました。
抗酸化作用、体脂肪の蓄積を抑制する作用、そして中性脂肪を低下させる作用まである、生活習慣病予防に強い味方となるこの成分。低温・短時間で抽出することで、このエピガロカテキンが含まれるとの放送内容に反響も大きかったようです。カテキンの中でも免疫力アップに強い効果のあるタイプのこのエピガロカテキンの存在と共に、水出し緑茶の素晴らしさを、私もこの時期に知りました。
水出し緑茶は味や口当たりも良くなる
カテキンという成分は苦みの原因でもあるのですが、低い温度の場合は水に出づらいという特徴もあります。つまり、水出し緑茶は、免疫力アップ効果のあるエピガロカテキンが出ながらも、お湯でいれるよりもまろやかな風味になるということ。また、甘みの成分であるテアニンも温かい緑茶よりも水出しのほうが残りやすいと言われています。
さらに、水出し緑茶はお湯でいれるよりもカフェインが少なめです。そして、高温にさらされることなくビタミンCを取り出すことができるため、シミや肌荒れにも嬉しいですね。
三重と静岡の水出し緑茶を飲み比べ!
さて、実際に水出し緑茶をいれてみましょう。今回は2種類の飲み比べをしてみました。
三重県松阪市「茶来まつさかの煎茶(深蒸し茶)」ティーパック

茶来まつさかの煎茶
静岡茶掛川市「松浦一治さんの煎茶(深蒸し茶)」

松浦一治さんの煎茶
〈水出し緑茶の材料〉
- 茶葉 10g
- 水 750ml
- 容器はハリオのフィルターインボトルがお気に入り
〈作り方〉
お気に入りの色違いのフィルターインボトルへ入れた水に、それぞれ茶葉を入れて、冷蔵庫であれば最低1時間、好みによっては3~4時間抽出すれば完成です。

右:茶来まつさかの煎茶/左:松浦一治さんの煎茶
茶来まつさかの煎茶はティーパックですが、味比べをするため茶葉をパックからだしました。なお、フィルターがない容器の場合は、もちろんティーパックのままの方が便利です。
水は浄水器などで塩素を取り除いたものが良いですね。塩素は緑茶の香り成分と反応してしまうためで、私は一度沸騰させてから常温にした湯冷ましを使っています。よりまろやかで甘味のある味わいに仕上がるのでおすすめです。
さて、飲み比べた結果は…
どちらも、緑茶の産地としては超メジャーな県ですが、その中であえて少しはずしたエリアの生産者さんの煎茶(深蒸し茶)にしてみました。
三重県松阪市の茶来まつさかさんは、徹底した土壌・茶園の数値化を行っていたり、ハラール認証も取得するなど、先進的な取り組みをしている会社。煎茶を水出ししてみたところ、とてもまろやかであと味もすっとしていて、確かに日本以外の人たちにも喜ばれそうな気がしました。飲みやすくて美味しいです。

茶来まつさかの煎茶
静岡茶掛川市の方は、昔からの製法にこだわる個人の生産者さんです。水出ししてみての味は、緑茶を飲んでる感がすごくあって、程よい渋味も水出しだからバランスよく味わえ、グイグイ飲めました。

松浦一治さんの煎茶