台湾の「胡椒餅」を食べることができるお店が都内に増えていること、知っていますか。そのための特注釜がある専門店まで出現しているんですよ。
タンドリーで焼き上げる「胡椒餅」がとにかく絶品のそのお店は、「四ツ谷一餅堂」。前回ご紹介した神保町の「台湾豆乳大王」に続き、ポイントはオシャレで本場顔負けの味、そしてアットホーム。カフェスタイルの台湾軽食店レポート、第二弾です。
台湾屋台フードの定番「胡椒餅」とは?
まず、台湾の「胡椒餅」について改めてご説明します。月餅などを思い浮かべてもらえれば、「胡椒餅」がお餅とは違うことはわかると思います。台湾の屋台でよく見かける「胡椒餅」、現地ではもともと朝食に食べるものです。胡椒を効かせた肉とネギなどを小麦粉の生地で包み、窯で焼いたもので、日本でも台湾好き女子を中心に急速に人気が高まってきています。
食や調味料の流行を敏感にとらえて商品化するカルディに行ってみたところ、やはり「胡椒餅」の素がオリジナルで発売されてましたよ!
こだわりがすごい!おすすめ胡椒餅「四ツ谷一餅堂」
では、そんな「胡椒餅」に並々ならぬこだわりをもっている「四ツ谷一餅堂」をご案内しましょう。四ツ谷駅から新宿通りを新宿方面に進み路地を入って行くと、通り沿いに日当りのよいテラスが目に入ってきます。壁面には、台湾式茶房「四ツ谷一餅堂」の文字が。
そのウッドデッキのテラスから反対側に見えるのは、たいやきで超有名な「名代 たいやき わかば」で、今回も長蛇の列です。1953年創業の老舗たいやき店と、2020年10月にオープンしたばかりの台湾茶房が向かいあい、今この一角は不思議な活気を醸しだしています。
ドアを開け、無垢の木のナチュラル感にあふれた店内に入ると、台湾ロスを吹き飛ばしてくれるたまらない香りにつつまれます。「胡椒餅」の窯と中国茶葉によるものでしょうか。そして、正面にある注文カウンターの横にあるスイーツの木箱がとにかく気になって、のぞきこみながらオーダー可能なメニューをチェック。
「胡椒餅」を注文するのはもちろん決まっているのですが、こちらのお店は台湾の茶菓子と中国茶も充実しているので困ってしまいます。この時は、酥菓子(そがし)の抹茶と南瓜といちごミルクが木箱の中に残っていました。天然の素材を使ったもので、生地がサクっとしていて餡の味がたまりません。淡い色も美しく、テイクアウトして堪能しました。
20分待って…念願の胡椒餅!
そして待ちに待った「胡椒餅」。時間的に豆漿などはもうなかったのですが、「胡椒餅」が思っていた以上にボリューミーだったので食事としても満足できました。特製のガスのタンドリーで、焼き上がりまで約20分。1日200個は売り上げるんだそうです。
ごまがたっぷりのっていて見ているだけでも本当に美味しそう。中身を割ってみると、大きな豚肉がゴロっと出てきますが、肉汁は控えめでコクがあります。スパイスの豊富な具材に胡椒がほどよく効いているという、絶妙なバランス。店主が、台湾の嘉義(カギ)で出会って衝撃を受けた、スパイシーながら上品な味がここ四ツ谷で再現されています。
また、四ツ谷三丁目側には、「八竹」という大阪寿司がテイクアウトできる老舗や、オーガニックスーパーの「ビオセボン」があったりと、このエリアは「四ツ谷一餅堂」と併せ技での楽しみ方も色々ありますよ。
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