納豆より強いニオイ!?韓国の発酵食品「チョングッチャン」チゲの作り方

みなさん、チョングッチャンって知ってますか。

チョングッチャン(清麹醤)は大豆の発酵食品です。納豆のように、蒸した大豆に枯草菌を入れて発酵させたものです。日本の納豆は枯草菌の中で納豆菌のみを使用しますが、韓国の納豆はさまざまな枯草菌が入っています。日本は1日程度の発酵、韓国は2〜3日発酵させたあと、塩や唐辛子、にんにくなどを加えたり、軽くすりつぶたりする場合も。日本のように生で食べるわけではなく、野菜や肉、豆腐と一緒に加熱してチゲとして食べています

ニオイに驚いたチョングッチャン初体験

今から数十年前に、友人がソウルの専門店に連れていってくれたのが初経験でした。少し辛くて日本よりだいぶニオイが強い納豆汁という印象。友人も、チョングッチャンは身体にいいけれど、ニオイが強いので食べると服についてそれが問題なのよね〜と言っていて、確かに手についたあとしばらくとれなくて驚きました。

スーパーでも売っているのですが、日本と違って容器入りや、私がもらったような紙やセロハンで包まれています。

からだが喜ぶ発酵食品チョングッチャン

チョングッチャンはどうやって作られるかというと、ゆでた大豆を藁やザルにのせ、40〜45度で2〜3日発酵させたのち、塩やにんにく、唐辛子を入れて熟成させます。

発酵食品として、整腸作用、デトックス、心筋梗塞や脳卒中の予防にもよく、コレステロール値をさげつるなどと言われて、韓国で流行した「ウェルビン(wellbeing)」と呼ばれる健康ブームの時には、専門店に行列ができるほど注目されたようです。たぶん、私もその頃何軒か連れていってもらったのではないかと思います。大鍋をみんなで食べたこともあるし、一人前づつのチゲ鍋状態の時もあったし、汁気が少ないディップ状で、日本のとろろ汁みたいにご飯にかけて食べた時もありました。

チョングッチャンはどうやって生まれた?

チョングッチャンがいつから食べられるようになったかははっきりとしてないのですが、高句麗時代に騎馬民族が馬の鞍の下に茹でた豆を入れて移動している間に発酵してできたのが始まりとか、漢字だと「清麹醤」なので、清国から伝わった醤(ジャン)だから、「清国醤」から変化したという説、戦時中に時間をかけずに作れる醤で「戦国醤」から変化した説などがあるそうです。

関係ないですが、そういえばタルタルステーキも肉を鞍の下に入れてたら練れてできたという説があったことを思い出しました。

チョングッチャンチゲの作り方

一度も自分で作ったことがなかったのですが、韓国の友人が先日また食材などを送ってくれた中にチョングッチャンが入ってたので、初挑戦してみました。

野菜を思わずたくさん切りすぎて、写真は3〜4人前くらいありますのでお気をつけください。あくまでイメージです。

材料:2人前(小さい鍋1つ)

  • チョングッチャン 100g
  • 水 400cc
  • ごま油 適量
  • だしの素 適量(昆布、煮干し、ダシダでも)
  • おろしニンニク 1片
  • 唐辛子 大さじ1(韓国製の辛味が少ないもの)
  • 酒 大さじ2
  • 豚肉 100g  
  • キムチ 100g
  • 豆腐 1/3〜1/2丁
  • ネギ 1/6
  • 玉ねぎ 1/4
  • きのこ(今回はしいたけとえのき) 1/4
  • ズッキーニ 1/2
  • 唐辛子 適宜

 作り方:

①豚肉とキムチを混ぜます。この際、キムチの汁も一緒に入れて混ぜると染み込みがよくなります。

②混ぜた豚肉に、おろしにんにくと、唐辛子大さじ1をさらに混ぜて10分くらいねかす。

③玉ねぎ、ズッキーニは角切り、ネギ、青唐辛子は斜め切り、豆腐は短冊切に。

④鍋にごま油をしいて、①の豚肉とキムチを強火でざっと炒める。

⑤だし汁を入れて火を通す。お酒大さじ2を入れて、煮立ってきたら、玉ねぎ、ズッキーニ、きのこ、豆腐を加えてさっと煮る。

⑥最後にネギと青唐辛子を加えてさっと煮て、チョングッチャンを溶いて30秒ほど煮て火を止める。

チョングッチャンに含まれる微生物や酵素は加熱に弱いため、テンジャンチゲとは違い、最後にさっと汁に溶いて食べるほうがいいです。

ちなみに、レシピなど調べてそう作ってみたのですが、送ってくれた韓国人の友人と電話で話したら、そういう風に作る人もいるし、このチョングッチャンは水の時点から入れたほうがいい、と言われて???でした。聞いても曖昧な答えなので、とりあえず次回は水から入れて作って試してみようと思います。

ダシは、二度目の米の研ぎ汁を使うという情報もありますが、今回は既製のダシで作りました。私は昆布の液体と韓国の無化調のダシを少し濃い目にいれました。ダシダという牛肉の化学調味料を入れてもいいと思います。

お酒は絶対入れなくてはということでもありません。お好みで塩がほしければ足してください。

唐辛子(赤でも青でも)があったほうがピリッと美味しいのですが、近所のスーパーになくて今回は省略しました。乾燥唐辛子も、韓国製のほうが甘みがあって単に辛い味ではないので、そちらをおすすめします。

私は今回は、肉とキムチだけ炒めて煮込みましたが、野菜をざっと炒める人もいますし、これもお好みで。日本の納豆汁よりクリーミーで、ご飯にさっとかけて食べるとニオイの割に口にいれると思ったほどでもないので食べやすいです。中国の臭豆腐もですが、なんで口に入れてしまったほうが平気なんでしょうね。

以前、高野秀行さんがアジアの納豆を求めてフィールドワークした「謎のアジア納豆:そして帰ってきた<日本納豆>」という本を読んで大変面白かったです。シャン族が作る納豆の話がでていました。その後、私がラオスに行った際、マーケットで煎餅状の干納豆を見て、「あー、これか!!!」と嬉しくて買ったことを思い出しました。また、アジアを旅したいです。まだまだ行けそうにないので、ひさしぶりに曙橋のシャン族の店にテイクアウトしに行こうかな。

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