2020年、無印良品が発売したことで世の中の関心度が急速に高まったコオロギせんべい。グロテスクなイメージを払拭したこの無印良品の展開を筆頭に、昆虫によるおしゃれでヘルシーな製品を発売するメーカーや、昆虫食メニューが充実したレストランなども増えてきています。
そういった中、新しい発想のチップス製品とコーヒーが発売されましたので、かまる新聞ではいち早くご紹介しておきたいと思います。環境に良いだけではなく、ダイエットや筋トレなど健康面でのメリットをもたらしてくれる昆虫食の記事、第二弾です。
昆虫スナック「コオロギと温泉水のチップス」
無印良品のコオロギせんべいや、昆虫食専門レストランによるコオロギラーメンによって、昆虫食の代表選手となっているコオロギ。そこに温泉ミネラルを組み合わせてスナックを生み出すという興味深いプロジェクトを、高崎経済大学ベンチャーのFUTURENAUT合同会社が行っています。
商品名は「コオロギと温泉水のチップス」。
小麦粉のやさしい甘さ、コオロギの香ばしい風味、隠し味的に使われた温泉ミネラルのほのかな塩味が融合した自然の風味豊かなチップスで、2020年12月28日に発売されました。
温泉水は磯部温泉の源泉を利用
個人的に気になるのは、その温泉水。群馬県南西部の安中市に湧く磯部温泉の源泉を利用しているそうです。
磯部温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物炭酸水素塩泉の良質泉で、ドイツのベルツ博士が絶賛するほど万病に効くとも。炭酸ガスが豊富で重曹の成分も多く含まれるため、お肌すべすべで美人の湯とも称されています。さらに、磯部温泉は日本人にとって馴染み深い「温泉マーク」(♨)の発祥地とされていて、また地元発の名物としては磯部せんべいが有名です。
「コオロギと温泉水のチップス」が、油脂類や添加物を一切使わず、素材の美味しさを活かした技術で製造されているところは、磯部せんべいへのこだわりと通じるところがあるようです。良質な温泉水を活用して、サクサク軽い口当たりに仕上がったこのこおろぎチップス、ぜひ一度試してみてもらいたいです。
こだわりのコオロギパウダー
コオロギに関してのこだわりについても簡単に説明します。
コオロギパウダーの原料はヨーロッパイエコオロギです。他の品種に比べて雑味が少なく、他の食材と上手に調和する特徴があります。あれこれ混ぜて味を調整せずとも、素材そのものに十分な美味しさがあるとのこと。原材料をシンプルにすることで、「コオロギと温泉水のチップス」は、ぜいたくにコオロギパウダーを配合することが実現されています。
なお、ヨーロッパイエコオロギを粉末加工したこのコオロギパウダーは、今話題の次世代プロテインの一つです。炒ったナッツのような香りと軽やかなうま味が特徴で、パンやお菓子にひと味違う風味を演出しつつ、簡単に栄養価を上げることが可能です。
コオロギやカイコの「昆虫コーヒー」も
コーヒー、紅茶、緑茶にぴったりの「コオロギと温泉水のチップス」をご紹介した次は、昆虫食を愛する現役大学生が作った「昆虫コーヒー」です。
2020年9月に「コオロギ ブレンドコーヒー(中煎り)」が発売されて話題となったこと、聞いたことのある方もいるかと思います。その反響を受け、世界中の昆虫食を販売するサイト・バグズファームは、昆虫コーヒーのシリーズ化をスタート。
奈良県の現役大学生で昆虫食の普及活動を行っている、昆虫食YouTuber「昆Tuber」こと昆虫食活動家・かずきとのコラボ展開をベースに、多くのカフェの焙煎を委託され、大阪で3店舗スペシャリティコーヒーを提供している「WAKO」の若き焙煎士 荻原駿が今回のシリーズから参画。「バッタ ブレンドコーヒー」、「カイコ ブレンドコーヒー」、「コオロギ ブレンドコーヒー(深煎り)」の以下3種が、2020年12月23日に同時発売されました。
- グラスホッパー(バッタ)ブレンドコーヒー〈コロンビア〉
コロンビア豆の豊かな甘味、力強い苦味と1日100kmに達する飛行能力があると言われているトビバッタの枯れ感を活かし、バランスよくブレンドしたグラスホッパーブレンド。
- シルクワーム(カイコ)ブレンドコーヒー〈グアテマラ〉
果実や香りに特徴が出やすいグアテマラに、新鮮な桑の葉のみを食べて育ったカイコのサナギ粉末をブレンド。強い個性同士がぶつかりあって生まれたシルクワームブレンド。
- クリケット(コオロギ)ブレンドコーヒー 深煎り
苦味が少なく、さわやかな酸味で飲みやすいブラジルサントスに昆虫食の定番コオロギをブレンド。すでに発売されている中煎りと飲み比べることにより、コーヒーの味わいやコオロギの主張の変化なども楽しめるクリケットブレンド。
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