数年前から、昆虫を食材とした製品を日本でもちらほら見かけるようになってきましたが、一般的な広がりが出てきたのは2020年5月に無印良品が「コオロギせんべい」を発売してからだと思います。一時期、店頭で売り切れ状態が続いていたこの商品が再入荷により購入しやすくなった今、かまる新聞としては「昆虫食」を女子目線でフォーカス。
栄養価が高くヘルシーともいわれている昆虫を食材とした様々なタイプの加工品やメニューが、オシャレに進化している状況をお伝えします。
昆虫食を手軽に!無印良品の「コオロギせんべい」
2020年5月にネットストアで先行発売、7月には限定店舗での販売がスタートした無印良品の「コオロギせんべい」。
SNSを中心に話題沸騰となり売り切れ状態が続いていたのですが、10月より販売店舗が拡大され、現在は比較的入手しやすくなっています。まずはこの「コオロギせんべい」とはどんなものなのかの説明と、実食レポをしたいと思います。
コオロギせんべいの味は?実食レポ
無印良品の「コオロギせんべい」は、誰でも美味しく食べられるようにコオロギをパウダー状にしておせんべいに練り込んでいます。そのため、通常“昆虫食”ときいてイメージする虫の形状を感じることは全くなく、一般的なおせんべいと同じように楽しめます。また、昆虫嫌いの人でも手にとりやすいだけでなく、味も良く食べやすいんですよ。
コオロギの味を存分に引き出すために余計な原料は使用していないらしいのですが、エビせんのような味わいと香ばしさで、しかも栄養価が高く将来的食糧難に貢献できることから、意識が高い女性などが積極的に購入しているようです。
なお「コオロギパウダー」の原料となっているコオロギは、「フタホシコオロギ」という種類の熱帯性の食用コオロギで、この製品1袋に約30匹分のコオロギが使われています。
昆虫食への注目が高まっている理由
さて、なぜ無印良品までもが「昆虫食」に取り組んでいるのでしょうか。それは、将来的に確保困難が予測されているたんぱく質の確保が、人類の重要な課題となってきていることが基本にあります。2050年には世界人口が100億人になると予想されていて、そうした状況に備えてのこと。
栄養価が高く環境への負荷も少ない食材として「昆虫食」への注目が年々高まっており、アメリカを筆頭に国内での商品開発も急速に進んでいます。
世界的VIPが牽引する美容目的の昆虫食
日本ならではのおせんべいというアイテムで市民権を得始めている「昆虫食」ですが、実はハリウッドのセレブやスポーツ選手などがブームを先行しています。虫のパウダーを使ったスムージーやスイーツなどなど、「昆虫食」はダイエットやアンチエイジングという視点からも要チェックのスーパーフードなんですよ。そういった中、「昆虫食」に早くからこだわりまくっている日本のニュージェネレーションの活動をご紹介したいと思います。
昆虫食にこだわる食チーム「ANTCICADA」
昆虫食の魅力を探究するチーム「ANTCICADA(アントシカダ)」です。
世界初のタガメのクラフトジン「タガメジン」や昆虫発酵調味料「コオロギ醤油」、コオロギを原料にした「コオロギビール」などを開発し、2020年6月には日本橋馬喰町に昆虫食を中心としたレストランまでオープン。
▲コオロギビール
金曜・土曜日は「地球を味わうコース料理」を完全予約制で、日曜日は「コオロギラーメン」を予約無しでカジュアルに味わえます。
▲コース料理の一皿(鹿、蜂の子、海老芋)
コース料理は未体験なのでレポできませんが、「コオロギラーメン」は、イベントで食べたことがあります。世界初のコオロギからとった出汁を使ったラーメンは、一度体験してみて損はありません。
▲コオロギラーメン
2015年に「ラーメン凪」と共同開発をして以来、赤坂サカスや慶應大学食堂、日比谷音楽祭、FOODEX JAPANなどのイベントでは完売しているそう。かまる新聞で取り上げているエストニアやフィンランドなどの北欧諸国でも、この「コオロギラーメン」が人気を博していることも大変興味深いです。
「アントシカダ」のレストランは、日本橋馬喰町という、東京のイーストエリアでも変化が面白い街の一角にあります。独自の世界観をもつショップやギャラリー、またスタイリッシュなホステルや飲食店も増えているので、このエリアについては改めて特集したいと思っています。
また、「昆虫食」の続編としては、ダイエットやアンチエイジングをテーマに最新情報をお届けする予定です。