アジアの国の朝ご飯が食べられるお店をご紹介してきている本シリーズ、3回目は現地度がとっても高い「老酒舗(ロウシュホ)」です。早餐(ザオツァン)セットメニューにあるのは、北京の朝食セットのバリエーション。何と朝の7時から営業していて、一日のスタートのエネルギーチャージができてしまいます。
羊肉及び中国東北料理のブームをつくった「味坊」集団の中で私が大好きなこのお店のディープな魅力、多少とも伝わってくれると嬉しいです。
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アットホームでディープな中国大衆酒場「老酒舗」
東京上野の御徒町駅からすぐの高架下にある「老酒舗」。
昔中国にあった大衆酒場をコンセプトに掲げていて、他では見かけない料理の数々がリーズナブルに味わえます。朝7時からの北京の朝食セットをはじめ、ランチも充実していますし、夜になると酒場として大満足できてしまうという本当に凄いこのお店。まずは今回のテーマである朝ご飯レポから。
朝食メニューはセット3種と単品メニューから
朝食時間帯のメニューは、早餐セットと、主食・小菜に分かれた単品のメニューがあります。
早餐セットは、この3セットです。
- 肉まんと白粥セット 500円
- 揚げパンと豆乳セット 400円
- 焼き餅と海苔雲吞スープ 500円
どのセットも日替わり漬物付きで、今回オーダーしたのは、私が焼き餅と海苔雲吞スープ、同行者が肉まんと白粥セット。
▲焼き餅と海苔雲吞スープ
▲肉まんと白粥セット
何度か食べていますが、海苔の味が口中に広がり本当に美味しいスープです。小ぶりのワンタンがよいポイントになっていて。焼き餅はいっぱいのごまの風味が香ばしく、食べごたえがあります。実は一番好きなのは豆漿(豆乳)のセットですが、この日は遅めだったので残念ながら売り切れ。代わりにお粥をひと口分けてもらい、しっかり満たされました!
そして、化学調味料を使わないことにこだわっているのが、こういったシンプルな料理だからこそはっきりわかります。
朝食はもちろん昼飲みもおすすめ!
「老酒舗」は朝食の素晴らしさはもちろんですが、昼飲みという使い方もできてしまいます。そんな時に必ず頼むのが餃子。特にお気に入りなのが酸菜水餃(発酵白菜と豚肉水餃子)です。「味坊」集団の中でも「老酒舗」は発酵系メニューが豊富で、酸菜はその代表的な材料です。
ちなみに、酸菜とは塩水に漬けて自然発酵した白菜の漬物で、一般的には鍋で使うことが多いですがこちらは炒めての料理もあります。酸菜は、オーナーの梁さんの故郷・黒龍江省チチハル市がある中国東北地方の保存食ですが、今では東方地方に限らず、幅広く使われるようになっています。台湾でも酸菜を使った絶品鍋があるくらい。なお、酸菜は中国食材店で購入も可能ですので、レシピなど酸菜に関する記事はこの冬やりたいと思っています。
他には、鴨肉や山羊肉の単品料理なども昼飲み上級者向けメニューも色々ありますよ。
▲鴨のカシラの麻辣煮と自家製チャーシュー
日本語最低限の現地感強めが楽しい
「老酒舗」の楽しさですが、敢えて日本語の説明が最低限になっているところからも生じています。中国語の料理名の発音は難しいので、 指差し注文をすることになりますが、店員さんも慣れたもの。このあたりも中国に来て注文しているトリップ感を味わえます。
また、メニュー表からも独特な味わいやこだわりを感じられます。これは米袋の紙にニスを塗ることにより光沢感を出したもので、梁さんがイメージを膨らませたデザインです。
そして、中国語が飛び交う中、オーナーの梁さんのご家族やお店の知り合いらしき人、店員さんや常連さんなど、色々な人が店内でそれぞれに時間を過ごしているので、そこにいるだけで微笑ましくなってきます。「味坊」集団の他のお店にくらべてスタッフの年齢高めで、家族のような雰囲気があるのが、こちらの最大の特徴なのかもしれません。
〈老酒舗(ロウシュホ)〉
住所:東京都台東区上野5-10-12
電話:03-6284-2694
営業時間:
平日 7:00~10:00(朝食)/ 11:00〜23:00(L.O 22:30)
土曜 7:00~10:00(朝食)/ 12:00〜23:00(L.O 22:30)
日・祝日 7:00~10:00(朝食)/ 12:00〜22:00(L.O 21:30)
※営業時間等は2020年11月時点のものです。