アジアの朝ご飯を日本にいながらにして味わえるシリーズの第二弾、今回は「南インド」です!
10年以上前から南インド料理を食べ巡っていますが、開店当時から他の南インド料理店とは何やら違うレジェンド的存在のお店が、大田区の大森にあります。現在、週4日午前10時から午後2時までしか営業していないこの異色店のヘルシーモーニングを、今回ご紹介します。
南インド料理の開拓者「ケララの風 モーニング」
今の店名は「ケララの風 モーニング」。店主の沼尻匡彦さんは、貿易の仕事で行った南インドの料理に心奪われ、帰国後の2008年に「ケララの風」を大森で開業。当時はケララ州コチのレストランで修行した日本人シェフが料理長で、その南インド料理を初体験した時は、味わったことのない料理の数々に感激しまくりでした。日本人による南インド料理店としては、私が知る限りでは最も早かったと思います。
その後、一旦閉店したため心配したのですが、2011年に沼尻さん自身がシェフとなり「ケララの風Ⅱ」として再開。南インドのミールス(定食)と、ティファン(軽食)の専門店は、南インド料理マニアの間でまたまた話題になりました。
そして2019年からは、朝食にこだわる「ケララの風 モーニング」という新しいスタイルへ再チェンジ。各国の朝ご飯メニューが注目されるきっかけにもなりましたし、何より奥さまの恵美子さんと二人でのアットホームさが強力なスパイスにもなっています。
本格派こだわり朝食で異国を感じて
大森駅西口から約400m、「ケララの風 モーニング」はインドっぽさを感じさせず商店街にひっそり在るため、通り過ぎてしまうかもしれません。久々に行ったこの日にオーダーしたのは、ティファンセット¥600(税込)と、サンドイッチセット+マサラオムレツで、¥800(税込)。
▲ティファンセット
▲サンドイッチセット&マサラオムレツ
ティファンセットには、トーレン・ワダ・イドゥリ・サンバー・ココナッツチャトニ・ラッサム・ドリンクが、サンドイッチセットにはトーレン・サンドイッチ2種・ラッサム・そしてマサラオムレツにドリンクがつきます。丁寧に作られていて品数が多いのが本当に嬉しいこちらのセット。中でもトーレンとマサラオムレツが優しいスパイシーさで、朝のからだにエネルギーが染み込みます。トーレンとは野菜をその水分だけで蒸炒めにするスパイシーな野菜のおかずで、ココナッツを加えるのが特徴。なお、南インド料理に詳しくない人のために食べ方などを図解しているシートがあるのでご安心ください。
営業時間ですが、「ケララの風 モーニング」としてリニューアルオープンした2019年は、朝7時前からお昼過ぎまででした。まさにモーニングのお店だったのですが、現在はランチとしての使い勝手がよい感じです。
沼尻さんは、南インド料理がまだほとんど知られていない頃からその普及活動を行ってきた人物です。そして、南インド料理に必須のカレー・リーフの国内栽培に貢献したことでもよく知られています。私も料理で活用しているこのカレー・リーフについては、生葉が入手できる季節に特集したいと思っています。
かまる新聞で何回か取り上げている中国東北料理の「味坊」は、羊肉料理ブームを牽引するお店として食業界で注目され続けています。羊肉料理充実の兄弟店「羊香味坊」も超人気ですが、私がお気に入りなのは、朝食が味わえる「老酒舗」。次回は、御徒町にあるアジア・モーニングです。