宮中で愛された美容食「烏骨鶏」をコトコトと【楊さんの薬膳スープレシピ①】

池袋にある大人気四川料理店「楊(ヤン)」、そして漢方足湯が楽しめる「リラックス空間 楊」のオーナーでもある楊鋭意さんの全面バックアップの元、かまる新聞で新たに「薬膳スープレシピ」連載企画をスタートします!

知り合って15年にもなる楊さんとの出会いや親しくなった経緯、楊のおすすめメニュー、そしてリラックス空間 楊のレポートなどは過去の記事をご覧ください。(楊さんとの出会い&おすすめメニューはこちら、リラックス空間 楊レポートはこちら

薬膳スープを自分で作るなんて難しそう…と思いますか? 薬膳スープは覚えてしまえば実はとっても簡単!かまる新聞のレシピをみながら、栄養たっぷりの美味しいスープをぜひご家庭で堪能してくださいね。

漢方足湯とともに楽しむ薬膳スープ

さて、この企画でご紹介していくスープは、リラックス空間 楊で足湯とセットで楽しめる薬膳スープです。足湯をしながら薬膳スープを食べられるなんて、素敵でしょう? 日本では出会えないサービスですが、楊さんの故郷の洛陽では、街中に足湯屋があり、食後や仕事帰りに気軽に足湯するのは普通の光景だそうです。

▲画像右は足湯に入っている漢方

足湯自体もこれまた日本ではあまり体験できないような漢方成分をしっかりと煮出したたっぷりの薬湯です。プランに含まれる薬膳スープは季節やその日の気温に合わせた楊さん完全オリジナル(常連のお客さんになると、そのお客さんの体に合わせてスープの内容も変えてくれるそうです)。

そんな楊さんレシピの中から今回ご紹介するのは、烏骨鶏(ウコッケイ)のスープです。

滋養、美容に!烏骨鶏の薬膳スープレシピ

烏骨鶏、と聞くと栄養価満点の卵を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、今回のスープには烏骨鶏のお肉が使われています

烏骨鶏は骨も肉も皮も内臓までもが黒く、古来中国では「不老不死の食材」と称され、王侯貴族のお金持ちが好んで食べていた贅沢な食材。特に女性には美容面でも重宝されていたそうです。

烏骨鶏の薬膳スープ 作り方

材料:4人分

  • 烏骨鶏 1羽
  • 大根 お好みの量
  • なつめ 適量
  • リュウガン お好みの量
  • ユリ根 お好みの量
  • 蓮の実 お好みの量
  • 高麗人参 2本
  • 当帰  お好みの量
  • クコの実 お好みの量
  • 塩 少々
  • 水 1.2〜1.5L

 

作り方:

1.烏骨鶏を冷たい水に入れ、火にかける。

2.沸騰したら烏骨鶏を取り出してきれいに洗う。

3.大根はいちょう切りにする。

4.新しい水に、洗った烏骨鶏、そのほかの食材を鍋に入れて煮込む。

5.1時間煮込んだら完成。

 

調理のポイント:

✔︎汗をたくさんかく夏の時期は、塩を多めに入れるのがおすすめです。

✔︎食材は好みの量で基本的にOKですが(家で作る場合)、高麗人参は栄養価がとても高い分、摂取しすぎると動悸や頭痛などを起こすことも。特に、夏は暑いので血の巡りがよくなりすぎる可能性があります。4人分の量で2本くらいにしましょう。ちなみに楊さんが使っている人参は細くて小ぶりのものでした。韓国の人参はもっと大ぶりのが多いので、1/3から1/2くらいでよいように思いました。

塩だけでコク旨スープが完成

材料をみていただくとわかる通り、味付けは塩だけ!でも、烏骨鶏や薬膳食材を1時間コトコト煮込むことで、コクや甘み、酸味がスープに溶け込んで、まろやかで奥深い味わいの絶品スープの出来上がりです。

▲薬膳スープには、ごはん(雑穀米や五穀米など)と、お漬物、デザートがつきます

入れた食材はほとんど食べることができるので、それぞれの薬膳を味わいながらいただきましょう。

“今日の一杯”薬膳の効果・効能

美味しいだけでなく、体も喜ぶのが薬膳スープの嬉しいところ。今回のスープに使われた薬膳の効果・効能をご紹介します。

  • 烏骨鶏・・・腹部を温め、気を補い元気をつける。肝腎によく、陰液を養い体内の熱をひかせるので、のぼせ、めまい、発汗、足腰のだるさなど更年期の症状によい。
  • 大根・・・消化促進、気の巡りをよくし、お腹の張りによい。涼性の性質で、咳、黄色い痰、口内炎などにもよい。
  • なつめ・・・胃腸の働きをよくし気を補う。併せて血も補い、精神安定、栄養不良、疲労倦怠感、不眠、イライラによい。女性のビューティーフードです。
  • リュウガン・・・血を補い、精神を安定させる。不眠や疲労、めまいなどにもよい。
  • ユリ根・・・肺や肌を潤して、咳を止める。精神を安定させ、不眠などにもよい。
  • 蓮の実・・・消化を助け下痢を止める。腎の機能を高めて、精液漏れ、不正出血によい、精神を安定させ、動悸不眠にもよい。
  • 高麗人参・・・気を補い、胃腸・呼吸系を活性化。胃腸虚弱、呼吸機能低下、糖尿、低血圧、貧血、精力減退などによい。体力があるタイプの方は、摂りすぎると胃熱があがり、のぼせるので注意です。
  • 当帰 ・・・体を温め、血流をよくするため、婦人病によいと言われています。
  • クコの実・・・目の疲労、視力回復、肺を潤すので慢性化した咳にもよい。めまい、足腰に力が入らない、栄養不良、精力減退などにもよい。肝腎を補うので、アンチエイジングのスーパーフードといわれ、欧米でもゴジベリーとして人気です。
こうやって効能を書いてみると、このスープは更年期のアラフィフ世代にぴったりの内容です。楊さんも、「虚弱なタイプはいいけど、もともと体力あるタイプの人だと、このスープ飲むと鼻血が出るよ。」と言っていたくらい。夏はのぼせやすくなるから人参の量も加減するそうで、なるほどと思いました。作り方はそんなに大変ではなくても、時期によって加減をする知識があると、より豊かに暮らせる気がしますね。
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