東京駅に「グランスタ東京」と「東京ギフトパレット」が誕生したというニュースに、スイーツ好きである私(かまるの妹分ルカ子)は心ときめいているこの頃。とはいえ、東京駅はどうしても人が多い場所なので、新型コロナウイルスがもう少し落ち着いてから訪れたいと思っています。
最近は家から歩いていける範囲にあるカフェへ、リモートワークの合間に訪れたりしています。そこで、今回の記事ではモノづくりとコーヒーの街と呼ばれている台東区・蔵前にあるカフェ情報の第1弾をお届けします。
蔵前が“東京のブルックリン”と呼ばれるワケ
蔵前は、東京の代表的観光地である浅草と上野に隣接したエリアで、蔵前自体に大きな観光名所があるわけではありませんが、こだわりのカフェや雑貨店などが点在し町歩きに楽しい場所です。おしゃれなカフェが登場し注目を集め始めたのはここ10年の間でしょうか。なんと蔵前が“東京のブルックリン”と呼ばれているとか。
そもそも蔵前はその地を歩くとわかる通り、革製品やおもちゃなど問屋の町、そしてものづくりの職人の町です。ニューヨークのブルックリンも同じくメイカーズの街。また、蔵前は隅田川のすぐそば、ブルックリンはイーストリバーを挟んでマンハッタンの東側と、川という共通点があることも似ているといわれる理由だそうです。
古い倉庫かと思ったらオシャレにリノベーションしたカフェだった!という発見に、蔵前を歩いている最中なんども出会います(倉庫の雰囲気もブルックリンぽいですよね)。なぜ蔵前にチェーン店ではないオシャレなカフェが続々と登場したのでしょうか。
蔵前ブームはクラフト系ショップから
調べてみると、ちょっとした蔵前ブームの火付け役的存在は、オーダーノートなどこだわりの文房具を扱う文具店「カキモリ」のようです。カキモリが蔵前に出店した当初は、まだオシャレなお店などなく、職人の街や問屋街というイメージ。カキモリが店を出して、クラフト系のショップやアトリエが徐々に増えていったとのこと。
また、「モノマチ」という2011年から始まったイベントが及ぼした効果も大きいよう。御徒町~蔵前~浅草橋の徒蔵(カチクラ)エリアを歩きながら、「街」と「ものづくり」の魅力に触れる3日間のイベントです。
さらに、起業を目指すデザイナーやクリエイターを支援する施設「台東デザイナーズビレッジ」を台東区が2004年に設立したこともポイント。卒業生がこのエリアで独立し、新しいクラフトショップやアトリエが下町の職人の町に加わったことで新旧の雰囲気を感じられる魅力的な町が誕生しました。
蔵前がカフェ巡りの聖地に
そんな魅力的な町に訪れる人が増えれば、休憩する場所も必要。そこでカフェが増えていったのかもしれませんね。
ただ蔵前をカフェ巡りの聖地にした立役者は、2016年に蔵前にオープンした「ダンデライオン・チョコレート」です。後ほど詳しくご紹介しますが、ダンデライオン・チョコレートはサンフランシスコに本店を構えるチョコレートショップ。日本初進出の拠点を蔵前に選んだ理由が、「創業者のが蔵前に息づく職人文化(クラフトマンシップ)に共鳴したから」だそうです。
ダンデライオン・チョコレートがメディアにも多く取り上げられ、蔵前がより注目されるようになったことで、オリジナリティをもったこだわりのカフェやコーヒーショップが続々と蔵前に集まってきたのでしょう。
蔵前のおいしいカフェ・スイーツショップ〈王道編〉
さて、蔵前の紹介が長くなってしまいましたが、ここからは実際に私が訪れたカフェやスイーツショップをご紹介していきます。
①ダンデライオン・チョコレート
チョコレート好きなら、やはりここ「ダンデライオン・チョコレート」は外せません。ダンデライオン・チョコレートは2000年代後半からアメリカでムーブメントを起こしたクラフトチョコレート「ビーントゥバー(Bean to Bar)」にこだわったチョコレートショップです。ビーントゥバーとは、カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うことで、蔵前店でも広い厨房でチョコレートを作っている工程をみることができます。
蔵前店では、ドリンクやスイーツを提供していて2階は広々としたイートインスペースになっています。休日に訪れると外まで人が並んでいるので、可能であれば平日の訪問がベスト。この日は平日の13時頃訪れましたが、それでも満席でした。
私が注文したのは「クラマエホットチョコレート」。蔵前店オリジナルのチョコレートドリンクで、無農薬・有機栽培のほうじ茶(静岡県産)で香りづけしています。甘すぎずカカオの風味をしっかりと感じられる濃厚な味でした。
この日は暑かったのでコールドを頼んだのですが、チョコレートを余すことなく感じるにはホットだったなあと少し後悔しました(チョコレートショップだからか、店内がとても冷えているためなおさら…)
②ペリカンカフェ
浅草にある大人気のパン店ペリカンの直営カフェ「ペリカンカフェ」が、蔵前にあります。明るい店内では、ドリンクの他に、トーストやサンドイッチなどの食事も楽しめ、パンのメニューは、ペリカンパンのおいしさを引き立てるため、特注の設備で炭火焼きにしているそう。
この日いただいたのは、コーヒーとハムカツサンド、そしてフルーツサンドです。ハムカツは見ての通りボリューミーで、噛むごとにハムのジューシーさとパンの優しい甘さがマッチ。この量でもぺろっと食べられます。
そして、フルーツサンドには焼いていないパンが使われ、ふんわり感を堪能できます。フルーツサンドは見かけ倒しのものも多く、フルーツの水分が多すぎたり、パンが乾燥してパサパサだったりで期待外れなことが多々あるのですが、ペリカンカフェのフルーツサンドは、パン・フルーツ・クリームが見事に調和して絶品!フルーツの甘さや水分に負けないパンの主張もちゃんとあり、パン好きも納得まちがいなしです。
そしてパンがメインのカフェと思いきや、コーヒーは深煎りすぎず浅煎りすぎず、トーストやサンドイッチに寄り添うこだわりのオリジナルブレンド。この日はブランチに訪れましたが、朝9時からオープンしているので、ここでぼーっとモーニングコーヒーを飲むのもいいなあと思いました。
イースト東京民の星!蔵前への興味はつづく…
蔵前のカフェとスイーツショップ、今回は王道の2店をご紹介しました。まだご紹介したいお店がいくつかあるのですが、記事が長くなってしまったので続きは次回にお届けします。
そうそう、蔵前の発展に台東デザイナーズビレッジとダンデライオンがキーだとお伝えしましたが、その2つのオープンの間に、「Nui」というゲストハウスの存在(2012年オープン)も結構大きいようです。特にインバウンドの盛り上がりとともに、ゲストハウスも注目されていた頃でした。
私はブルックリンへ行ったことがなく、ブルックリンに行ったら蔵前を感じるのだろうか…と正直疑問に思うのですが、イースト東京民としては、“オシャレ”というワードで地元が取り上げられるのは嬉しいですね。