新型コロナ時代は、基礎的な免疫力アップがはかれるかどうかが大きなポイントと、かかりつけ美容皮膚科の先生に教えてもらいました。今後、感染状況やウイルス自体がどうなっていくのかが専門家であってもわからない中で、漢方皮膚科・アレルギー科医でもある彼女は、食と生薬による養生の必要性をとにかく強調。
ということで、漢方薬処方は先生にお任せするとして、私は、免疫力を高めるために良質な発酵食をどう入手していくのかについて、専門ショップの取り組みから考えてみることにしました。
今、見直そう。新発想の発酵ショップ&サービス
発酵をコンセプトとしたショップやレストランは、かつては自然食店から派生した地味めな存在でしたが、ここ10年くらいで、センスだけでなく発想も斬新な面白いお店が増え充実してきています。都市生活においてテイクアウト利用が日常化してきた今、リアル店舗とはまた違った新しい発酵サービスにも注目です。
提案型オシャレ発酵ショップ「85」
日本橋室町テラスがオープンした際、目玉の誠品書店及び台湾カルチャー&食&美容の2階フロアだけでなく、個人的に楽しみにしていたのが「85(ハチゴウ)」です。中目黒の高架下のスタイリッシュな店舗でスタートしたのが2017年春。食品を中心としながら、雑貨からファッション、化粧品までを扱うショップという感じに、初めて行った時はとても興奮しました。
今の室町テラスのお店よりも発酵製品の揃えっぷりがクレージーで、どんな方が始めたんだろうと質問したところ、店舗設計や内装デザインの会社が経営母体と聞いてより興味を持ちました。会社の理念が「人を想い、自然を想い、豊かに健やかに共栄できる環境の創造」なんだそう。
カラフルなピクルスや手作り味噌キットなどの発酵食品はもちろんですが、コーヒー豆などのセレクトも素敵で、新しい発見のあるショップです。
発酵食で健康をサポートする「ハッコーズテーブル 」
2017年、浅草に発酵食専門レストランをオープンした「ハッコーズテーブル」は、今年5月から新しいスタイルに挑戦しています。実店舗で蓄積したノウハウを行かして、健康志向や美容意識がより高まっている今だからこその、発酵関係の事業・店舗開業支援やECサイトの企画運営を行っているそう。
地域の郷土料理や伝統食などの食文化を大切にし、次の世代へ伝えることも意識しているようです。
酒造メーカーによる発酵コンセプトのバー
また、発酵をコンセプトに、それまでのコンセプトショップとは一味違う展開をしている老舗酒造メーカー2社についても、簡単にご紹介します。
金沢の福光屋「発酵バー」
金沢の福光屋が、2010年末に六本木のミッドタウン地下1階にバー併設のショップをオープンさせたことは、記憶に残っている方も多いと思います。地方の醸造会社が、こういった自社のお酒が飲めて購入も出来るおしゃれ業態を東京起点に確立したのは、この時だったのではないかと。
私が時々利用するのは、銀座の松屋にある「発酵バー」。松屋の中でもクリエイティブなショップが並ぶフロアの角で、かっこよいシニアの方がカウンターで日本酒を飲む姿を横目に見ながら、麴や贈り物などを購入しています。
新潟の八海山「千年こうじや」
八海山の八海醸造が、麻布十番に「千年こうじや」をオープンさせたのは、2012年春でした。蕎麦屋やお菓子屋はその前にチャレンジしていたそうで、明確に発酵をテーマとした「千年こうじや」は、同じ年の神楽坂店に続き、お店も製品ラインナップも増え続けている印象です。
日本橋コレド室町2に2014年春にオープンした時のことが、個人的には印象に残っています。
さらに、進化系発酵食品専門店が話題に
最後にご紹介するのは、今話題の「発酵デパートメント」です。今年4月、下北沢と世田谷代田の間の商業施設“BONUS TRUCK(ボーナストラック)”にオープンした、進化系発酵食品専門店です。
味噌、醤油、納豆はもちろん、ご当地発酵調味料やお酒なども充実。「発酵壁新聞」なんてものも発行しているアクティブな代表者のアイデアが店内にあふれています。イートインも出来て、既にハマっている方も多いというこの「発酵デパートメント」、何と発酵食品のサブスクもやっているそうなんです。
毎月1回、醤油・味噌・お酢などの定番調味料と、ユニーク調味料や食材、さらにその食材の使い方やレシピが掲載されたミニBOOKが定額で!とても面白いサービスですし、彼の次の企画を楽しみにしている人が多そうですね。