急なランニングやウォーキングに注意!足をいためないためのプロのアドバイスとは

巣ごもり状態が続くと運動不足がどうしても気になりますよね。ついつい食べすぎちゃうことでヘルスメーターへのるのにどきどきしたりも。

そういった中、私自身もまわりでもランニングやウォーキングをこれまでにないペースではじめた人が多く、暖かくなってますます増えてきそうです。

運動はもちろん必要ですが、気をつけたいのが今までほとんど走っていなかったのにあまり準備もせずランニングをはじめることや、運動不足の不安からだらだらと長時間歩いてしまうこと。他のランナーとの距離などのウイルス感染に関する注意情報はネット上に多いですが、かまるとしては「インソール(中敷き)」を活用した事前対策など初心者ランナーに役立つ情報をお伝えしようと思います。

フットケアとしてのインソールに注目

まずそもそも欧米のインソールと日本語での中敷きはニュアンスや機能として違った意味合いが含まれることをご存知でしょうか?一般的に中敷きでイメージするのは、靴の中に入れて消臭や靴中の汚れをカバーするためのものですよね。

しかし欧米のインソールは、足の健康のためであって歩行をサポートするという意味合いが含まれています。

ここ数年は日本でもインソールのその本来目的が注目されて、製品の選択肢はかなり増えました。フットケア先進国のドイツで「アインラーゲン」とよばれる足の機能を高め矯正するオーダーインソールから、国内のオートペディシューマイスター(整形外科靴士)が監修したセミオーダー感覚で満足させてくれるインソール、そして最新素材を活かした安価な製品などなどがあります。

インソールとフットケアに興味が尽きない今日この頃。今回は私の体験というよりも、前から気になっていたインソールについて専門家のご意見をお聞きしながら、生じやすいトラブルのことや事前に知っておきたいことをご紹介します。

シューフィッターさんに聞きました!

今や様々な種類のインソールがあまりにもありすぎる中、健康に走り歩くためにはどうやってインソールを選んだらよいのかをちゃんと知りたくなり、ご縁があってシューフィッターの上村智仁さんに色々質問をさせてもらいました。

ランニング初心者が気をつけることは?

Q. 自粛状態の中、今までそれほどしていなかったランニングをはじめる人が増えています。靴や足の専門家としてどういったことに注意したらよいと思いますか?

A. 当たり前のことになりますが、自分の足にあったスニーカーを使うことが第一ですね。いきなりランニングをはじめて、膝や腰、足首やじん帯、足底筋膜という足裏をいためるケースはよくききます。

そうならないために色々おすすめしたいスニーカー製品はもちろんありますし、本来はフィッティングしてシューズを選ぶことが重要です。

ただこういった状況の中で手持ちのスニーカーを使うケースが多いと思いますので、スポーツ系メーカーのものでインソールを替えられるかどうかをポイントにしても良いかもしれません。

インソールが重要な理由とは?

Q. きちんとフィッティングしてシューズを選ぶことができない場合に、インソールを替えることがなぜ重要となるのですか?スニーカーに元々入っているインソールではダメですか?

A. まず、足についての簡単な説明ですが、足には片足で28個、両足で56個の骨があります。これは人体全体の骨の数のおよそ1/4程の数で、私たちのこのたった二足の足は、とても複雑で緻密な設計で出来ています

スポーツ選手の体のトラブルでどの箇所がなり易いかと、あるヨーロッパの研究チームが調べた所、現役選手のトラブルは圧倒的に足のトラブルが多いというニュースもありました。

市販されているスポーツシューズのオリジナルのインソールが悪い訳では決してありませんが、より足の細かな部分を安定させる意味でも、インソールの役割というのは非常に大きいと思います。

オンラインで買えるおすすめインソールは?

Q. 今の状況だとなかなかお店へ行くことはむつかしいのですが、そういった場合にオンラインでも購入できるおすすめのインソールはありますか?

A. よいインソールは沢山ありますが、市販の中ですと「ペダック」というドイツのインソールが入門編としては良いと思います。

足には土踏まずを作る縦アーチと呼ばれる他に、横アーチというものがあります。一般的なスポーツシューズのインソールの多くはこの横アーチが付いてるものがあまりありません。それはもしかしたらメーカーさんが意図的に付けていないものもあるかもしれませんが、軽いランニングやウォーキング、普段に使う靴には横アーチがあった方が楽だと、殆どの方に感じてもらえると思います。ただし、縦アーチ・横アーチも高さが一人一人違うので、初めて履いた時はなんかしっくりこないと違和感がある方もいらっしゃるかもしれません。

「ペダック」のインソールを履いて足裏が痛くなるという方はほとんどいないと思いますが、もし痛くなった場合は無理に縦アーチ・横アーチがついてるインソールにしない方が良いケースですのでご了承ください。

よりフィットしたインソールを試したい場合は、やはりシューマイスターや義肢装具士さん、シューフィッターさんがいるお店がおすすめです。

ランニング時、インソール以外で気をつけることは?

Q. ランニングやウォーキングをするときに、インソールやスニーカーのこと以外で気をつけたことが良いことなどありますか?

A. 運動前と運動後のストレッチはとても重要です。最近運動をし始めたら、ふくらはぎが痛いとか足裏が痛いと感じる方がいるかもしれません。経験上ですが足の関節が硬くなっているために痛くなる、というケースも多く見てきました。この様な方は足を縦に平行にして軽く開きしゃがんでみると、しゃがみきれない方が多いです。

足の関節トラブルの一例ですが、足・膝・腰などのトラブル予防にストレッチは非常に有効です。面倒だとは思いますが、からだへのトラブルを防止するためにもランニングやウォーキング前にはストレッチをぜひ習慣としてください。

通常の足裏計測・診断はどのようにして行われる?

Q. 「ペダック」のインソールをスニーカーへ入れてみても、どうしても気になることがある人はどうしたらよいでしょうか?

また個人的にはインソールのオーダーにとても憧れがあります。オンラインでのフィッティングはなかなかむつかしいと思いますが、通常はどういう流れで足裏計測・診断が行われるのかを教えてください。

A. 「ペダック」をはじめ市販されているインソールは、基本的に、足にトラブルが無い方はより快適に、トラブルがある方は緩和出来るように考えられています足の健康を考慮して作られているので、これだけでも無いよりは格段に良いと思います。

ただ、もっと自分に合ったものが欲しいという方がいらっしゃると思います。特に女性の方はすでに足に何かしらトラブルある方が多いのではないでしょうか。外反母趾、扁平足、開張足、足裏のタコ、魚の目、などなど。足のトラブルが男性よりも女性の方が多いのは、男性よりも体が柔らかいからだといわれています。インソールを交換するだけでこれらのトラブルが解決する方も多数います。

私どもの店に足裏計測・診断に来られる方には、モートン病、リュウマチ、膝や腰を手術してから歩行が思うようにいかない方など様々な症状を抱えているかその他様々な症状のお客さんもいらっしゃいます。

程度によりますが、ドイツの国家資格である整形外科シューマイスターにインソールを注文される方が多いですね。まず1時間程、足の計測をはじめ、お客様の足や体全体の情報をお伺いし、体全体のバランス、歩行のくせ、足裏にかかる圧力などをチェックします。

およそ2週間後にお客様にお渡ししています(もちろん当日もオーダーインソールを着用しての歩行チェックも行います)。歩くのが楽しめない、走るのが辛いという方でも、オーダーインソールにより足に対してのストレスが和らぐと思います。


みなさん、フットケアについてより興味がでてきたのではないでしょうか?次回は、一度はトライしたいフィッティング及びオーダーインソールについて。そして女性に多い足のトラブル症状とその対策をご紹介します。

 

取材協力・画像提供:コンフォートかみむら 松本店

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